K-Dreamの時間「最初のギター」

一緒にいた相棒のハナシ
なぜギターを買おうと思ったのだろう。今となっては定かではない。きっと女の子にモテたいとか不純な動機だったのだろう。結局ギターでモテることはなかったが生涯を通じて大切に思える友ができた。ギターにそして音楽に感謝。
当時はエレキギターを弾いていたら不良と呼ばれた時代だった。(今はギターを弾いても不良扱いされないのだろうか？)

クラシックギター
初めてのギターは中学の時に買ったスズキ製のクラシックギター。どうしてもギターが欲しくて、そんな私の思いに共感してくれたのがM岡の陽ちゃん。一緒に\5,000円を握りしめて、香林坊にあった山畜の２階に行き二人で同じギターを選んだ。

フォークギター
高校になって買った初めてのフォークギターはカスガ製のもの。マーチンのOOO(トリプルオー)のコピーのような外観だが、音は全く違って値段相応のチープなものだった。
当時高校入学のお祝いには皆腕時計を買ってもらっていたが、腕時計を買う代わりに念願のフォークギターを手に入れた。このギターで陽ちゃんと一緒に曲を作ったりサイモンとガーファンクルのギターフレーズをコピーしあったりした。このギターは高校３年の時に大学受験のお金を作るためA井君(チャラ)に売った。

初めてのエレキギターはグヤトーンの初心者向けのモズライトのコピーのソリッドギター。明星や平凡の裏表紙に載っていた通信販売で売っていたようなやつである。本家モズライトはベンチャーズや加山雄三が使っていたのが有名。
当時貸しスタジオにある１台しかないギターアンプをT野と二人で同時に使うことが多く、その場合ギターピックアップの出力の大きいほうの音が勝ってしまう。T野のギターはエルク製のレスポールモデル(エルクギター)のピックアップをパッシブタイプに換装したもので大出力。おかげで私のグヤトーンの音は全く聞こえなかった。

2018年の第7回A面同窓会で使用したギターはグレコという国産メーカのレスポールモデルの最初期のもので、これは1970年代製造の、まさに私たちの高校時代に作られた個体である。もっとも当時は高価(定価\36,000)で買うことができず、後年社会人になってから中古を入手した。
このモデルは当時グレコが本物のギブソンレスポールを手に入れることができず、カタログの写真から寸法を割り出したというもので、本家レスポールのケースにはほんの少し大きくて入らない。
また、本家レスポールはソリッドギターなのだが、グレコEG-360は中空となっていて本家とは別物の音色である。当時グレコには資料は写真しかなく、ギターは中空であるという先入観からそうなったと言われている。
ピックアップ(マイク)も本家はハンバッカーなのに対しグレコEG-360は見た目ハンバッカーのようなシングルピックアップである。このモデルには日本のジミーペイジと言われた成毛茂の教則テープがおまけでついていた。
2022年の第8回A面同窓会でもこのこの個体を使用するつもりである。50年もののギターの音色を楽しんでほしい。

他のメンバーは楽器に無頓着なのだが、どうしてか私は楽器としてのギターの魅力にはまり、今では所有するギターが数十本になってしまった。このギターだったらもっとうまく弾けるようになるのではと妄想し続けた結果である。
参考書を買うだけで積んどけば成績が良くなると勘違いするのと同じである。配偶者からは「あんたは千手観音かっ！手は2本しかないんだから余分なギターは処分するように！」と指示を受けている。余分なギターなんてないのに。。。
N畑準（K-Dream）

（編集部から）4月のある日、深夜まで続く彼らの練習風景のひとコマです。